花びら餅と芙蓉手五寸皿
中尾郁夫 染付芙蓉手五寸皿
新年が明け、今日は小寒です。
今年もよろしくお願いいたします。
お正月は何処へも出かけずに家でのんびり。
何もしなくても、食べるものは食べちゃうんですよね。
花びら餅は、茶道の初釜のお席で
いつも出されるお菓子です。
中は柔らかく煮た牛蒡と味噌餡で
白とピンクの二枚重ねのお餅に包まれています。
もともとは宮中のお菓子だそうです。
お茶会へは、もう何年も行ってないけど
お菓子だけは食べたい。。。
うつわの「芙蓉手」というのは
中国明時代、景徳鎮の民間の窯で作られた
染付の模様の様式(デザイン)のひとつで
日本での呼び方です。
芙蓉の花とも蓮の花ともいわれていますが
花びらが開いたように周囲に丸紋が配置され
その中に希少な宝物などが描かれている
西洋でも人気の絵柄です。
日本では、その後伊万里で作られ輸出されました。
宝物って、扇や巻き物?って思うけれど
扇は高貴な人の使う物なので、富を
巻き物は当時の書物で、知識や知恵の意味。
いずれも貴重な物で、豊かさの象徴です。
おめでたい吉祥文として喜ばれました。
着物やうつわの古典的な模様に
何故おめでたいものが多いのかは
つまりは、さほど平和に安心できる世の中では
なかったからだと思います。
祈りだったり、邪気払いの意味だったり、で
身の周りに吉祥文様をたくさん並べて
生活したのでしょう。
なんだか昨今の世にも通ずるところがありますね。
気持ちは穏やかに
為すべき注意はして
なんとかやっていきましょう。
結局は地味に積み上げていくことなのかな。
私は、コツコツと作られたうつわを
愛ある使い手様にお渡しする作業が
自分の役割だと思い、喜びを感じています。
良い一年になりますように。
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