色絵 二兎角豆皿
橋本薫 色絵二兎角豆皿 /和田瑾斎 朱塗布目尺二丸盆
月とうさぎ、といえばやはり季節は秋。
早どりして8月末頃から10月いっぱいは
月を愉しむのが日本人の遊び心というもの。
何故日本人は季節を大事にするのか、というと
日本は(四季以上に)12ヶ月それぞれ
寒暖や湿度、気圧の変化が大きく
身体をそれに対応させるのが
大変な気候風土だからです。
季節ごとに旬のものを食べたりしますが
「初もの」とか言って早どりを好む風習も
「季節が変わるんだよ」と意識して
身体に教えるためだという説をあります。
確かに季節の変わり目というのは
身体にもけっこうしんどい時がありますから
先人たちの知恵でしょうね。
その代わり時期ごとに、その時期だけの食材
というものがあって
その恩恵もいただいています。
写真の二兎角豆皿は9パターン図柄があり
山中塗 瑾斎さんの朱色の丸盆を月に見立てて
9枚全部を載せてみました。
月に居るうさぎ....としたかったのですが
お皿の中に月が描かれているので
うさぎたちが月下にいる姿が
月に映っている、というストーリーに
してください(笑)
今宵もどこかの里山で賑やかに
彼らが戯れている、と。。
お皿の中の青呉須(ブルーの部分)は
ブルートパーズのような発色で美しいです。
白いうさぎが月光に、ほの青く光って見えるよう。
大好きな色。
相変わらず、知的でチャーミングな絵付けは
作者のお人柄が滲み出ています。
ちなみに、十五夜の月は「芋名月」
栗の美味しくなる頃の十三夜の月は
「栗名月」「豆名月」と呼ぶようです。
栗ご飯、炊こうかな。
心もお腹もすっかり秋です。