紅梅のうつわ
橋本薫 紅梅 椀/湯呑
ニュースのたびにオミクロン株の感染が増えていて
気持ちが沈みます。
冷たい空気のなかでちらほら梅が咲き始めています。
一般的に、梅は白梅が多いから
白梅の咲きかたは、しんと静謐、静寂。
闇のなか静かに雪が降るイメージです。
でも紅梅は、明るく華やかで闇とは正反対。
椿はそういう感じがしないので
花の色でこんなにイメージの違う花は
あまり無いように思います。
古くから、赤は邪気を払う、遠ざける、と
考えられていたので
寒さが続いて免疫力が下がる
大寒あたりのこの時期に
赤は特に良いのかもしれない。。
長襦袢などの下着が赤いのも
邪気の仕業とされている疾病から
身を守るためです。
太陽光が少ない冬場に
赤絵のうつわを多用するのも
単に新年のお祝い用、というだけでは
無い気がするのです。
健康に繋がる食の容れ物として
うつわも、邪気を近づけないよう
祈りやお守りの意味もあって
赤絵のものが使われてきたのは
ごく自然なことなのでしょう。
邪気・・・
なんとかお鎮まりください。と
願うばかりです。