染付桜六寸皿に桜のカステラ
橋本薫 染付桜文六寸皿
今年の桜は早くて
お彼岸の頃にはもう咲きました。
咲き始めてから満開まで
あっと言う間。
こんな春もあるんですね。
桜のお皿に、葉山 日影茶屋の
らんとう。
この時期だけはピンク色の桜のらんとうが
あります。
今年は花が早くから咲いたので
製造が追いつかず
予約して、入荷待ちでした。
箱を開けると桜の香りがして、いい感じ。
らんとうというのは、卵糖と書きます。
カステラの古い呼び方です。
普段は、卵色のおなじみのらんとうが
売っています。それも、美味しい。
桜には、いろいろな言い伝えが多くて
ひとつには、
暖かくなり山から里へ降りて来た神様が
桜の木にお座りになると、花が咲く
と言われています。
「さ」は、山の神のことで
「くら」は座の意味だそうです。
梅は中国から輸入された木ですが
桜は日本古来の木。
山にも、水にも、光にも草にも花にも…
神が宿ると考えるこの国。
焼き物も、窯の中に入れたら
火の神様に託すしかないのです。
上手くいっていたらもちろんですが
思い通りに焼き上がらなくても
感謝して、また頑張ろうと
思えるのかもしれません。
いつもは下を向いてばかりいるけれど
この時期ばかりは、桜のおかげで
上を見たり、遠くの山を見たりして
気持ちがのびやかになります。