赤絵 唐子 馬上盃
橋本薫 赤絵唐子馬上盃
野ぶきを貰ったので、香木の伽羅色になるように煮て
ご飯のお供、きゃらぶきにしました。
野蕗は、竹林などの足元に群生している
野生の蕗です。
例年、筍のあとはきゃらぶき、というのが
季節の流れのお約束、ルーティンのようなものです。
今年は、こんな時勢なので
赤絵の唐子模様の器に入れます。
唐子は、文字通り「からのくに」昔の中国の子供のこと。
頭にボンボンみたいなお団子にした髪をふたつ結っていて
三国志の呉の国の服みたいな、袖の長い衣装を着た童子が
(日本の着物の由来、だから呉服というらしい…)
無邪気に舞を踊っている古典的な図柄。
閉塞感を感じるこのごろなので
その無邪気さで邪気を祓ってもらいたいと思い
唐子模様のうつわにしました。
本来唐子は、子だくさんで子孫の繁栄を願うための図柄です。
昔は、予防注射も無く、もちろんワクチンも無く
ちょっとした病気でも子供を亡くしてしまったので
無事に育つように、と祈りを込めた文様が好まれ
お守りのように日常の中に取り込まれていったのでしょう。
今の世でも、厄除けのお守りになってくれると思います。
それが、文様の役割でもあるはずなので。。
それにしても「無邪気」ってすごい言葉だなぁ
無邪気は無敵だね。