藤本能道 展 / 智 美術館へ
晩秋の日、虎ノ門にある 菊池寛実記念 智 美術館へ
「生誕100年、生命を描いた陶芸家 藤本能道」の
展覧会へ行ってきました。
人間国宝 藤本能道 氏は、私の好きな作家のひとりである
小山弘治さんの芸大時代の師でもあったのですが
まとめて多くの作品を見たことが無かったこともあり
氏が1992年に亡くなられたあと
この智 美術館で回顧展があった時に見逃していたので
今度こそは、と思って行きました。
そこで、氏が富本憲吉さんに師事されたことなど
今まで知らなかった事も知りました。
そういえば初期の作品は、絵柄や色使いが
富本憲吉さんに似ているし
小山弘治さんの作品も、構図などが藤本氏の作品に
そっくりな時期があって
そこからどう、自分ならではの作品に
していかれるかが、とても難しいんだな、と
感じます。
ずっと先生そっくりな作品、というわけには
いかないですから。
藤本氏の作品は、自然の情景を美しい構図で
純白の磁器の上に表現されたもので
余白の効果が生き生きとしていて
息を呑むような妖しさも感じさせられます。
その白、白磁の地肌に、透明釉なんだと思っていましたが
行ってみて知ったのは
草白釉、雪白釉、霜白釉と釉薬がかけられている事です。
上にくる色絵に合わせて
下地の白も微妙に変えられていたんですね。
これは驚き。さすが、と思いました。
やはりグレードの高い作品を
たくさん見ることは
本当に大事です。
良い一日でした。
12月1日までです。
智 美術館 HP は https://www.musee-tomo.or.jp/exhibition/