金彩染付 枝垂桜八寸皿
橋本薫 金彩染付枝垂桜八寸皿
ひと月ほど前に届いたこの桜のお皿
八寸というと、洋皿でいうメインディシュの
ミート皿の大きさです。
和皿だと各自めいめいにつける大きさではなく
真ん中に置いて(または回して)
皆で取り分けるように盛り付ける
”大皿” のカテゴリーにはいるものです。
つまり、同じようなものは何枚か作られるでしょうけど
揃えではなく、それぞれが単品の「1点もの」という
ことになります。
このお皿もそういうふうにして作られました。
桜がもっと少なく描かれているものもあって
これは中でも、桜がいっぱい、の方です。
桜がいっぱい・・なんだけれど
少し右寄りにある幹がこのお皿の
”目を引く”ところですね。
この、”幹を描く” っていう構図
木を描くなら花が咲く全景を描きそうなものですが
作者は、枝垂れ落ちる桜の傘の中に入った自分、という
その視点で幹の部分を大きく配置して
しかも白抜きにして、桜の周りを染付で埋めていく
このバランス感覚が、独特で素晴らしいです。
夜桜のようにも見えるちょっとミステリアスなセンスに
心惹かれます。
このお皿が着いてからのひと月の間に
令和になったり、10連休があったり
いつもとは違う季節を感じました。
まだ北海道のさきの方では
桜が咲いているかしら。
今頃桜の話なんて
ちょっと時代に取り残されたみたいね。