染付 桜川碗/豆四方
橋本薫 染付桜川 碗/豆四方
所々桜が咲き始めたようです。
さくらの「さ」というのは、山の神様のこと。
「くら」は"座"で、山の神が里へ降りてきて
お座りになる木が、桜なのだそうです。
山の神は春を連れてきます。
人々は桜の花が咲くと、喜び感謝して
山の神を賑やかにもてなした
それが桜まつり、お花見の由来なのでしょう。
桜の花が開くと、自然にありがたい気持ちになるのは
偶然ではないのですね。
それならば、山の神の「さ」とは誰なのか...。
古事記に出てくる山の神は、「おおやまつみのかみ」で
その娘が、「木花佐久夜毘売(このはなさくやひめ)」。
その「佐」なのではないかと.....。
木花(このはな)とは、桜のことと言われています。
さくや姫は、天照大神の孫がひとめぼれして妻にした
という、とても美しい姫なので
降臨して座り、桜を咲かせる神というのは、きっと
その「佐」姫のことに違いないと、私は思うのです。
「さく夜」という字から考えても、月夜の桜のように妖艶で
薄ピンク色の衣をまとっているのでしょうね。
ちなみに、日本書紀では「咲耶」の字が使われていますが。。
まだまだ寒い日もあり、奥床しい山の神様は
ゆっくりと戸惑いながら御出でになるようです。