満月の皿/絵唐津 雁の図七寸皿
古賀賢治 絵唐津雁の図七寸皿
丸いお皿を満月に見立て、その中を夕暮れて雁たちが
巣へ帰っていく情景です。
10月も終わろうとしている時期の満月は
ひときわ風情を感じます。
雪 月 花 時 最 君 憶
(せつげっかの時、最も君をおもう)
雪の降り積もる時、月が美しい夜、花が咲く時
そんな時には、特に君のことを思い出す、という意の
白楽天の漢詩です。
自然の美しさは、どこかもの悲しさを伴うものです。
君のことは忘れたことはないけれど
美しいものを見たときは、
今頃君はどうしているのだろう....と、想うのでしょう。
「憶う」のは、追憶の中の君の姿。
今はもういない、会うことも叶わない、というニュアンスがあって
切ないですね。
雁は、秋に北方から来る渡り鳥。
深まりゆく秋の満月を見て
あなたは、誰を憶いますか?
雁のように、何処か遠くへいってしまった君を。。