菊薫る、花三島
古賀賢治 花三島碗
この碗を覗き込むと白い小菊がたくさん。
菊薫る季節の景色です。
采 菊 東 籬 下 菊をとる とうりのもと
悠 然 見 南 山 悠然として南山を見る
山 気 日 夕 佳 さんき にっせき佳く
飛 鳥 相 与 還 飛ぶ鳥 あいともに還る
陶淵明の晩秋の夕暮れを詠った、大好きな句です。
東の籬(まがき:竹で編んだ垣根)のもとで、野菊を手折り
ゆったりした気持ちで南の山を見ると
夕暮れのかすみ(山気)のなか、鳥が連れ立って帰っていく.....
気高く孤高な気持ちと、おおらかな風景
竹垣に寄りかかるように咲き乱れる小菊。
何事にも右往左往し、ジタバタしてしまう私が
憧れている心象風景です。
遥か遠く、そこを目指して生きているって感じです。
20代の頃、北陸に旅行し、遠くに連なる白山を眺めたとき
その美しさと、神々しさに心打たれてしまい
”南山を見る” って、こういう心持ちかなぁと思ったことを
今も覚えています。
ちなみに、『悠』の字はこの句からもらいました。
ウチの庭では先週の台風にも倒されることなく
紫の花が咲いています。
ほととぎす
紫式部の実 葉はバッタがみな食べてしまいました。
フジバカマ 紫のつぼみから、白い糸のような花が咲きます。
スーっとするいい香り。
秋の紫は、春と違い、儚いような哀愁を帯びていて
切らずにずっと咲かせておいてあげたい、
そんな感じです。