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菊薫る、花三島

花三島
古賀賢治 花三島碗


この碗を覗き込むと白い小菊がたくさん。
菊薫る季節の景色です。

 采 菊 東 籬 下  菊をとる とうりのもと

 悠 然 見 南 山  悠然として南山を見る

 山 気 日 夕 佳  さんき にっせき佳く

 飛 鳥 相 与 還  飛ぶ鳥 あいともに還る


陶淵明の晩秋の夕暮れを詠った、大好きな句です。


東の籬(まがき:竹で編んだ垣根)のもとで、野菊を手折り
ゆったりした気持ちで南の山を見ると
夕暮れのかすみ(山気)のなか、鳥が連れ立って帰っていく.....

気高く孤高な気持ちと、おおらかな風景
竹垣に寄りかかるように咲き乱れる小菊。

何事にも右往左往し、ジタバタしてしまう私が
憧れている心象風景です。
遥か遠く、そこを目指して生きているって感じです。

20代の頃、北陸に旅行し、遠くに連なる白山を眺めたとき
その美しさと、神々しさに心打たれてしまい
”南山を見る” って、こういう心持ちかなぁと思ったことを
今も覚えています。
ちなみに、『悠』の字はこの句からもらいました。


ウチの庭では先週の台風にも倒されることなく
紫の花が咲いています。

  ほととぎす
  ほととぎす

  紫式部
  紫式部の実  葉はバッタがみな食べてしまいました。

  フジバカマ
  フジバカマ 紫のつぼみから、白い糸のような花が咲きます。
  スーっとするいい香り。


秋の紫は、春と違い、儚いような哀愁を帯びていて
切らずにずっと咲かせておいてあげたい、
そんな感じです。

2014年10月19日 唐津 トラックバック:0 コメント:0

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