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手のひらの月

手のひらの月
藤井憲之 白磁小鉢


秋めいてきました。
気がつけば紫式部の実も色づいています。

十五夜から徐々に欠けていく月も美しい。


  掬水月在手  
水をきくすれば(掬えば)月、手に在り。

空にある月は手を伸ばしても届かないけれど
水を掬えば・・・月は手のひらに写っている。


自然との一体感が感じられ
掌中の月と戯れるような心地は
ちょっと羨ましいくらいで
味わってみたいものですが
コレって....
───届かないと思って見ているだけじゃなく、やってごらん
みたいな意味もあるのではないかと
ふと、感じました。

遥か遠くに在るのではなく
掬ってみれば、それは、手のなかにあるのだよ...と。


ちなみに、この句と対になっているのは

  
  弄花香満衣
花を弄すれば(摘めば)香り、衣に満つる。

花を摘んでみれば、香りが我が衣に満つるよ。

花の香りは、知識や経験・・など尊いものを表わしているとすれば
───やってみれば、身に付くよ
きっと、そんな感じなのだろうと思います。


掬 水 月 在 手  水をきくすれば(掬えば)月、手に在り
弄 花 香 満 衣  花を弄すれば(摘めば)香り、衣に満つる


なるほど。。。

2013年09月26日 白磁・青白磁 トラックバック:0 コメント:0

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