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吉村昌也さんの粉引 その2

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吉村昌也さんの粉引台皿と冠向付です。

吉村さんは少し変わった経歴を持つ作家さんで
フランス語が堪能で、商社マンとしてお勤めをしながら
夜間や休日に陶芸を学び、その後独立されたと聞いています。

茨城県の笠間に築窯なさって
李朝の粉引を師としながら生み出される”吉村粉引”は
独創的で生き生きとし、凛とした気迫を感じます。

多くの人を引き付けるその作品の魅力は
細部まで行き届いた繊細さが
全体の緊張感を創り上げ
張りつめられた空気に目が離せない...というところでしょう。

青白く輝く肌は光沢があり
粉引でありながら素地は固く焼き締められていて
吸水性は少ないので染みにならずに
食器としても使い易いです。


焼きものは、割れても破片は朽ち果てることなく
永久に残っていって、何百年後に掘り出されたりします。

陶を焼く人はそのように”悠久の時間”に介入して
ずっとあとの誰かにメッセージを残せるんだ! と思うとスゴイけれど
それだけに、今のことだけを考えずに
惜しみなく注ぎ込んで
”今”を見せてほしいですね。




2012年06月17日 粉引・刷毛目 トラックバック:0 コメント:0

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