北陸の色
今年の冬は、何処も例年より雪が多いそうですが
このあたりだけはずっと晴れ続きで、冷たい空気が乾燥して
澄みきった青空の毎日でした。
冬の初めは”土もの”の食器にぬくもりを感じてよく使うのですが
今頃になってくると、”色”が恋しくなってきます。
それも鮮やかな発色のものを使いたくなってくるので不思議です。
石川県の山中温泉、山代温泉は、九谷焼のふるさとですが
九谷といえば、発色の鮮やかさが特徴の一つです。
雪国に暮らす人たちが、まぶしい太陽の黄色や
青々とした植物、豊かな果実などの色に強く想いを寄せ
待ち望んだ気持ちから生まれた焼きものなんだと
改めて感じ、納得できました。
陽が射さずに、今と違って家の中も暗かったのでしょう。
九谷で修行されていた方に
北陸では、布団乾燥器が必需品なんだと聞いた事を
思い出しました。
九谷焼は、そこに暮らした人でないとわからない想いを
かたちに表したものでもあるかもしれません。
冷めないように、蓋つきのカップです。作者の正木春蔵さんは、加賀の方です。
これを書いていたら、雪が降ってきました。
初雪です。積もるのかな。