うつわの季節感
食材に季節が重要であるのと同じように
うつわにも季節がとても大切です。
夏は少しでも涼しげに、軽やかに
冬は暖かそうに、料理の温度も伝わってくるように
どのうつわを使うかを考えて選びます。
そろそろ季節の変わり目なので、少しづつ土ものも登場させていきます。
季節は、ちょっと先取りが新鮮でいいみたいです。
ソーメンも飽きてきたし
ちょっとお疲れ気味の夏の終わりのおなかには
冷たいお蕎麦がおいしいですよね。
少し深さのあるお皿に茹でたお蕎麦を盛って
大根おろしと、さっと湯がいたなめこをのせ
麺つゆもその上からサァーとかけてしまって
お皿の上でお蕎麦とからめながらいただきます。
大根おろしの辛味と、なめこののどごしが
さっぱりとしておいしいですよね。
古賀賢治 鉄絵草文皿(唐津) 朝鮮唐津そばちょこ
まだまだ気温は下がりそうにないけど
動いていく影を見ていると
真上を通っていた太陽の軌道が、着実に傾いているのがわかります。
虫の声が響きわたる暗闇のむこう
山の端からのぼってくる満月が
月を愛でる季節が近いのを感じさせてくれます。