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古染付 波に兎文ふうに 銅版画で

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古染付の波に兎文ふうにエッチングで作ってみました。
エッチングとは、腐食銅版画のことです。

最初はこんな感じでまずはイメージの輪郭を

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兎と水玉ですね。

次は、バックに波を入れていくのですが
はじめは、青海波をデザインしようと思っていたのですが
もう少し動きがある方がいいかなと
マーブリングの手法を使ってみました。

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そこへアクアチントで黒い部分に深みを出して

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下のほうに、草のような波のような線を加筆し
さらにスピットバイトで黒っぽくしてみました。

これで絵全体が安定してきたようなので、そろそろ完成です。

仕上げに刷りは、雁皮刷りといって
雁皮という薄い和紙で刷ると
細かいところまで拾ってくれるので
さらに深みを増します。
少し黄色っぽいのが雁皮の色です。

雁皮の繊細な光沢も美しいので
作品を助けてくれます。
(一番上の写真)

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こんな風に銅版画で作ってみました。
自分ではけっこうイメージ通りに出来て
気に入っています。

これでしばらく銅版画はお休み。。
しばしのお暇です。


2019年10月02日 アート トラックバック:0 コメント:0

「安藤忠雄 初期建築原図 展」を見に

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文京区湯島にある文化庁の国立近現代建築資料館で
6/8から始まった「安藤忠雄 初期建築原図 展」を
見に行ってきました。


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もともと建築デザインが好きで
図面や間取り図などを見るのが好きです。
建築の構造に関しては詳しくはないのですが
良い建築と言われているものは、その図面も美しいので
有名な建築家の初期(若いころ)の図面を
見られる機会はほとんど無く
これは是非、実物を見たい!
美しいものを見に行きたい、という思いで
わくわくでした。


打ちっ放しのコンクリートでおなじみの安藤忠雄の
1973年頃からのエスキース、図面、建築模型の展示で
まだデビューしたてで弟子もなく、もちろんパソコンも無い
そんな頃だったので、自身でトレーシングペーパーに描いた
手描きのものばかりです。
模型も、スチレンボードではなく、この頃は木製のようでした。

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「大淀のアトリエ」1981/1982/1986


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施工に使われる青焼き製本のコピーのようです。
こちらは実際にこのように1ページずつめくって見られます。

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これは「水の教会」の模型やエスキース

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氏の代表作の一つ「光の教会」の模型ですね
十字架の形に光が入っているのが見えます。


無機質なコンクリートと自然を融合させた建築で
現代の建築の礎を成した安藤忠雄の
これほど貴重な資料を見られる機会は
それほど無いと思いました。


ご興味のあるかたは、こちらをご覧ください。
文化庁 国立近現代建築資料館 「安藤忠雄 初期建築原図 展」

2019年07月03日 アート トラックバック:0 コメント:0

小原古邨 展/茅ヶ崎市美術館へ

小原古邨 展 茅ヶ崎市美術館


ここのところずっとお天気が良く
治りきらなかった風邪もようやく咳が治まってきたので
観たいと思っていた木版画を観るために
茅ヶ崎市美術館へ行きました。

美術館のリーフレットの表紙には、おや!
先日行った横浜の岩崎ミュージアム 秋の図書館 で見た
柄澤齊さんの作品じゃあないですか・・
茅ヶ崎にゆかりのある作家さんだったのですね。。

小原古邨は、日本画家から木版画を作るようになった人で
その花鳥画は色も構図も確かに日本画的です。
ですが、そこには古邨の独特なセンスあるモダンな構図、
そして版元の刷りも美しく、素晴らしい作品ばかりでした。

会期終了まであと数日というときで
想像以上に混雑していて、ゆっくりみるという状態ではなかったので
写真OK ,SNS OKということで
好きだなと思ったものを何枚か写真に撮ってきたら
なぜか鳥の図ばかりだったから
自分でも可笑しくなっちゃいます。

何と言っても色の濃淡、構図
絶妙ですね。

小原古邨
桜に烏


小原古邨
水辺の小鷺
水面に映る姿がお洒落です。


小原古邨
梧桐(あおぎり)にアオゲラ


小原古邨
こちらのタイトルはわかりませんが
水面の表現が美しいなと思いました。


茅ヶ崎市美術館は初めて行きましたが
閑静な住宅街にあるこじんまりとした
良い美術館で、とても落ち着きますね。
周りの環境もいい感じです。

2018年11月02日 アート トラックバック:0 コメント:0

銅版画の「染付 蓮池文」

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写真手前のシャインマスカットが載っているお皿は
瀬戸の棚橋 淳さんの鉄釉掛け分け7寸皿。
光沢のある飴色の部分が美しいお皿です。
マスカットの色を鉄釉が引き立てて良く合います。

秋ですね。

久しぶりの投稿になってしまいましたが
前回お知らせした10/8からの『版画工房 展』に出品した
私の作品をご紹介させてください。
自分の記録のためにもブログに書いておこうと思います。


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やきものの「古染付蓮池文」ふうに銅版画で描いてみました。
タイトルは 七月 です。
初夏、早朝の蓮池のイメージです。
(エッチング、雁皮刷り、手彩色)

染付の藍色の感じを出したくて
刷る前に、透明水彩で雁皮紙に少し色をつけ
刷った後でもう少し色を挿しています。


あとの2点は
以前家にいたビーグル犬の、私が大好きなアングルを
そのまま描きました。
(エッチング、雁皮刷り)

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何見てるのかなぁ〜の後頭部と
おしりです。
飼い主に見せる無防備な後姿がなんとも愛しいのです。


こんなアンティークなギャラリーで
6日間、工房のみなさんの素敵な作品を展示しました。
いらしてくださったお客様、先生と工房のみなさん
そしてギャラリーの関係者の方々のおかげです。
ありがとうございました。

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2018年10月19日 アート トラックバック:0 コメント:0

『河井寛次郎 展』パナソニック汐留ミュージアムへ

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見ておきたいと思っていた「河井寛次郎 展」
パナソニック汐留ミュージアムへ行ってきました。

河井寛次郎は、柳宗悦と共に民芸運動を推進した人で
民芸という言葉が生まれた背景には、実用の美、
名もなき陶工、職人が無心に造った民衆の日用品、実用品に
見い出された美しさこそ芸術、という考えがあるので
河井寛次郎といえば『民芸』、の印象が強かったのですが
氏にとっての美とは、実用道具でなくても
「そこにあるだけで生活が美しくなるもの」が
実用品であり必需品である、と考えていたようで
その作品は、写真を見て想像していたよりも
どっしりと大きく、力強い存在感で
しかも繊細な心遣いを感じられる
芸術作品そのものでした。


氏の考えに基づいて集められた身の回りのものや
氏の暮らし方、それ自体が「美」の造形表現だったのだと
感じます。


私の好みですが、
作品の中では「呉洲刷毛目の大壺」が魅力的でしたね。
あと印象にあるのは「黄釉泥刷毛目 碗」など数点の茶碗が
高台が竹節高台で、扱い易そうな繊細な仕事でした。
辰砂六角の箸置きも、色、形ともに上品で
美しかったです。
それと、氏が愛用していた黒田辰秋の根来塗りの手箱も
芸術品でした。
ネクタイ入れにしていたようです。

下の写真は「呉洲泥刷毛目扁壺」です。
(ちなみにこの展示会では呉須が呉洲と標記してありました。
色々な字を当てることがあるようです。)

河井寛次郎 呉洲泥刷毛目碗扁壷


こんな可愛らしい木彫もありました。
犬と猫です。高さが30センチくらいあって結構大きいです。
床の間や飾棚に置かれたようです。

河井寛次郎 木彫 犬と猫



寛次郎 没後50年だそうで
展示品は、京都の河井寛次郎記念館の所蔵品が中心です。
パナソニック汐留ミュージアムでは9/16(日)までです。
https://panasonic.co.jp/es/museum/exhibition/18/180707/



2018年08月22日 アート トラックバック:0 コメント:0

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