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サントリー美術館美術館 「黄瀬戸・瀬戸黒・志野・織部」展へ

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六本木ミッドタウンにあるサントリー美術館で
「黄瀬戸・瀬戸黒・志野・織部」美濃の茶陶 展を
観てきました。桃山時代の名品です。

後世、瀬戸と呼ばれていた焼きものも
実際には美濃焼です。
瀬戸は愛知県、美濃は岐阜県。
山のあちら側とこちら側、みたいに
近いけど正確に言えば、土も違うので
山中に埋もれた窯跡の発掘調査が進んだ現代では
黄瀬戸、瀬戸黒、志野、織部は
美濃地方にある窯で焼かれた "美濃の陶器"のことです。

それにしても名品揃いのとても濃厚な内容でした。
三井記念美術館より 国宝の志野茶碗「卯の花墻」
五島美術館より 重要文化財の鼠志野茶碗「峯紅葉」
根津美術館より 同じく重文 鼠志野茶碗「山の端」
他にも湯木美術館、藤田美術館、愛知県立陶磁美術館
MIHO MUSEUMなど・・・
なかなかこれだけの名品が集合する機会はないでしょう。
とても贅沢な時間でした。

昭和の陶工として荒川豊蔵さんと加藤唐九郎さんの作品が
こちらもたっぷりと展示されていて
唐九郎さんの作品、これだけまとめて観たことがなかったけど
やはり、緊張感があって凄いです。
いつか唐九郎陶芸記念館、行こう! と思いました。

16世紀〜17世紀の桃山時代は武将達の時代で
この時代に数多くの名品が生まれたのには
「茶の湯」に使う茶陶が多く求められたからです。
茶室は武将達のコミュニケーションの場で、密室でもあったため
「名品を手に入れたので、お茶を一服」と言いながら
密談なども多かったと思います。
珍しいもの、美しいものを所有することはステイタスで
一品で城や領地に替えられたりするほどの力、価値があり
どの家でも大切にして伝えてきたため
今の世に残されているほとんどが○○家伝来(所有)というように
代々の所有者がわかっている“伝世品” です。

そして江戸時代、徳川政権になって世の中が安定してくると
茶室は薄暗い密室から明るい社交の場となって
華やかになっていくのです。

そうそう、最近あまり陶芸の特集がなかった芸術新潮も
10月号で九州のやきものを特集しています。
表紙を見ただけでドキッとして、即買いでした。
唐津、伊万里などです。
現代の作家も紹介されていて、是非おすすめです。
右サイドバーの本棚にリンク貼っておきました。

サントリー美術館は11月10日(日)までです。
HPは こちら
↑100円割引のクーポンもありますよ。


2019年10月11日 黄瀬戸・織部 トラックバック:0 コメント:0

紫陽花と黄瀬戸七寸角皿

紫陽花と黄瀬戸七寸角皿
臼井和成 黄瀬戸七寸角皿


緑がいっそう深くなり、風が湿気を帯びて
もうまもなく梅雨がやってきそう。
今ぐらいがちょうどいい陽気かな。
乾燥しすぎは、ちょっと苦手。

庭の紫陽花も、咲き始めは真っ白で
少しピンクに色づいてきて
可愛いお嬢さんみたい。
このあと紫になり、ブルーになる。

この季節には、黄瀬戸や織部が似合うと
私は思っています。
織部や黄瀬戸は、秋冬ばかりじゃないのよ。
このくらいの湿度のある空気が
ガラス質に溶けた釉薬の艶と
質感が似ているようで
樹間を抜けてくる風とも
相性がいいように感じます。

黄瀬戸七寸角皿

織部のグリーンは
常緑樹の色。
片身にかけられた織部釉が
全体を締めて
ぐっと深みに引き込んでいる。
余計な模様はいらない
いらない。。


2019年06月04日 黄瀬戸・織部 トラックバック:0 コメント:0

黄瀬戸七寸皿に

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臼井和成 黄瀬戸七寸皿  藤井憲之 青白磁急須/型打ち湯呑
青手九谷四寸皿


先週は30℃近くあった気温が、急に下がって、ずっと雨。。
年末頃の寒さだって....!びっくりですね。

有り難いことに、栗や柿など、季節の和菓子の頂き物が
ほうぼうから集まってきたので、楽しいお茶飲み。

お菓子をたくさんのせたお皿は、臼井和成さんの黄瀬戸です。
つやつやとしたガラス質の釉薬が美しく
松葉のような刻文に、ところどころ緑釉で滲むように
加飾されている、お洒落なお皿です。

臼井和成 黄瀬戸七寸皿


「黄瀬戸」は、”黄色い瀬戸焼” ということで、黄瀬戸と
呼ばれていましたが、古くは桃山時代に美濃、
今の岐阜県で焼かれたものだと
近年になって、わかってきました。
瀬戸焼ではなく、美濃焼だったのですね。

桃山時代の黄瀬戸と言われているものは
目立った歪みがなく、土もののわりには薄手で
端正な形のものが多いです。
草花文や線文の彫りや印刻を入れ
緑色の釉薬でポンポンと色付け(加飾)されていたりします。

黄瀬戸の定義と言っても、人によって分類は様々ですが
上のようなスタイルにあてはまる黄褐色の灰釉のものを
今では、黄瀬戸と呼んでいるようです。


藤井憲之 青白磁 急須/型打湯呑

急須と湯呑みは
なかなか端正な青白磁です。
こちらは、瀬戸の藤井憲之さんです。

黄瀬戸のお皿、九谷の青手の小皿、
そこに土ものの茶器だと
今の季節じゃ、ちょっと重いかなと思って
すっきりとした青白磁の茶器を合わせてみました。


2017年10月19日 黄瀬戸・織部 トラックバック:0 コメント:0

棚橋淳さん個展

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瀬戸で、黄瀬戸・織部・古瀬戸を作陶している
棚橋淳さんの個展に行きました。

今回の黄瀬戸は、今まで棚橋さんが作っていた
釉薬がガラス質に溶けて透明感のあるものと違い
釉調がかせて、枯淡のある、さらっとした質感を意識して
作ったそうです。

釉薬が薄くかかっているぶん、思いのほか手取りは軽く
見た目はざらっとしているけれど、手触りはしっとり滑らかで
緑のタンパンも深みがあり、いい具合にきいています。


いいな、と思ったのは、織部の掛花入れ。
陶板のように平たく、壁にぴたっとついているような形で
窯の中で酸素を調節して出した織部釉の、深緑の模様が
息をひそめた深海の風景のように神秘的な表情でした。
そこに花を挿すと、一転して生命力を帯び
生き生きと呼吸を始めるようで、息をのむほどです。


前に進むために挑戦をくり返さなければいられないのは
モノを作る人の宿命でしょう。
思考と迷いをくり返しながら...は、苦しみでしょうが
そこから生まれてくるものは、やっぱりブレてない
"そのひと”の作るもの.....なんだなと
改めて勇気づけられたような気がします。


棚橋 淳さん個展は
2月5日(火)まで  横浜高島屋7F美術画廊で。
写真はその展覧会のDMです。

2013年01月31日 黄瀬戸・織部 トラックバック:0 コメント:0

山形からの新米

楽しみに待っていた、山形の新米が送られて来たので
すぐに炊いてみました。


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  棚橋淳 総織部飯碗

湯気とともに漂う良い香り。
一粒ずつにしっかりとした弾力があり
噛み締めていると、とても甘い。

おかずはいらない、ごはんだけ食べたい!
....という感じの驚き。

10月初めに刈り取り、ひと月の間太陽に当てて乾燥させた
お日さまの恵みです。


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賑やかな装いの袋にも、育てた人の喜びが感じられますね。

土はさくらんぼを酵母で発酵させたものを混ぜて
10年以上かけ、改良を重ねたそうです。
畑のまわりには虫除けのハーブを植えて
大切に育まれたお米。愛情を感じます。

最近は、お米よりパンの消費量のほうが
多くなったと聞いて嘆いていましたが
これが日本の主食だ!と、とても嬉しくなりました。


日本ってすごいなぁ。
日本人の努力って、本当にすごいなって
感動です。

考えてみれば、自分の元にやって来るもので
人の手がかかっていないものは
何も無い。

そう思うと自然に感謝の気持ちがわいてきて
「いただきます」の意味がわかります。

コレ、当たり前だけど、大事なことだなって
心のメモに、深く刻まれました。


気がつくと立冬が過ぎ
いよいよ冬支度。

今秋の収穫に感謝しつつ
冬を迎えます。


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2012年11月09日 黄瀬戸・織部 トラックバック:0 コメント:0

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