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新蕎麦と十三夜

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山形から今年の新蕎麦が届けられました。
いい香り!
舞茸の天ぷらも添えて
早速いただきました。

お蕎麦の角皿は、荒木善隆さんの灰釉角皿。三つ足です。
蕎麦猪口は、小山岑一さんの緑釉麦わら手。
常緑樹のグリーンを思わせてくれます。
薬味を入れた小皿は、古賀賢治さんの絵唐津松文八角小皿。
老松の侘びた風情です。
舞茸の天ぷらをのせたのは、藍水さんの染付菊唐草楕円皿。
全て土ものにすると重くなるので、染付の菊で秋の清々しさを。
お盆は、瑾斎さんの布目1尺2寸根来盆。

晩秋らしい取り合わせにしました。

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根来の朱赤は、色付く秋の華やかさも添えてくれます。

まもなく10月も終わる29日は、十三夜。
名月に秋の収穫を感謝する祀りだそうで
栗ご飯など美味しい時期ですね。

今月は十五夜に始まり、新蕎麦、十三夜‥と
季節の変化を味わった一か月になりました。
去年のような怖い台風が来なくて
ほんとに良かった。

人間も自然の一部なんだからね。
自然のご機嫌を損ねないように
謙虚にあらねばと思います。



2020年10月28日 焼きもの全般 トラックバック:0 コメント:0

はじめての金継ぎ

朱コマ4寸鉢
朱コマ4寸鉢


ばりん!と割ってしまうことは無いのですが
気に入って頻繁に使っているうつわを
洗う時などに、カチッと当ててしまったりして
欠けやひびを作ってしまうことが時々あります。

そんな時は、大事に扱っているつもりなのに自分でも情けなく
痛かったでしょうと、つい
ごめんね〜と、うつわに謝ってしまうものです。

愛着のあるうつわだったり、使い易いうつわだったりしても
欠けたまま使うのは嫌なので、とりあえず仕舞ってあったのですが
初心者用の金継ぎキットを買って
自分で直してみました。初めてです。

欠けを埋めるためのパテを砥の粉と漆を混ぜて作ったり
温度と湿度に気をつけながら何日間か乾かしたり・・・
作業はおもしろかったのですが
難しいのは、やはり漆を塗って金粉をまくことですね。

金粉をつけるための漆を薄く均一に塗って
その漆を適度に乾かす時にも
塗りかたが、厚かったり均一でなかったりすると
金をまいた時に漆の乾きかたがまちまちで、くっつきがムラになり
漆が厚かった部分などは、時間が経つと金が沈んでしまったりして
仕上がりが斑になってしまいました。


はじめての金継ぎ

はじめての金継ぎ

はじめての金継ぎ

はじめての金継ぎ


はじめての金継ぎの仕上がりは、こんな、でした。
まぁ、このムラも、少し侘びた感じ、ということで、マル。

これでまた使えるようになったので
よかった。。

漆や、金粉.....均一になるようにするには
乾き具合やタイミングなど
もっと何回もやってみなければわかりませんが
そんなに欠けたうつわを作りたくないし、ね。

けれど、大事にしまい込んで使わないより
毎日使って、欠けても修理してずっと使うっていうこと
良いと思います。
うつわは、大事な相棒ですから。

2015年02月18日 焼きもの全般 トラックバック:0 コメント:2

移りゆく季節のなかで

2014/09/01 秋草


9月になりました。
秋カイドウ・金水引・リヨン草・角虎の尾などが
降り続けた雨のなかで満開です。
長雨のため雑草も伸びてしまいました。
もっとも、雑草という名の草は無いのですが....。

厳しい残暑を覚悟していたから
ちょっと戸惑うほどにストンと秋がやって来たみたいです。


桃をむいて、どのお皿にしようかと.....

気温によって、同じ素材でも使いたいお皿が
変わってくるから、不思議です。
これが、うつわの魔力かな。

染付芙蓉手 桃

まだまだ暑いという気候なら
桃の甘酸っぱさと清涼感をイメージして
染付の芙蓉手。

だけど、25〜6℃の過ごし易い気温では
豊潤な桃の持つイメージから
青手九谷の濃厚さがいいかな。

青手九谷 桃

移りゆく季節のなかで、名残惜しい食材を慈しむように
楽しむのもいいものです。

急に涼しくなって、冷蔵庫のなかの西瓜が
色あせてしまった気がします。
ようやく晴れた今日にでも、食べてしまいましょう。
夏にサヨナラです。

2014年09月02日 焼きもの全般 トラックバック:0 コメント:0

「無心」という境地とは

橋本薫 唐子そば猪口
藤井憲之 青白磁蛍手7寸皿  橋本薫 唐子そば猪口


見ていると、つい笑みがこぼれてしまうような
子供が楽しそうに遊ぶ光景。
子供が何かをしている仕草というのは
見ているこちらも飽きることがない愛らしさです。

焼きものの「童子」や「唐子」といわれる図柄は
可愛い、ということで好まれますが
古典的な図柄はいろいろなものを象徴的に
表わしている場合が多く
子供は、無心で邪気の無い存在─ということから
神性を秘めたエネルギー、本来の姿 などを
連想させてくれます。


昨日、子供の頃いっしょに育った、と言っても過言でない友人が
ケーキを持って、30年ぶりに家に来てくれました。

30年以上連絡を取り合うこともなく
風の便りで時々噂を耳にするだけで
海外で暮らしていた彼女とは会う機会もなかったのですが
お正月に突然メールをもらい、来訪してくれました。

空白の時間を埋めるようにお互いのことを聞き
話しているうちに、あっという間に日が暮れて
彼女は帰って行きました。

ひとりになって、彼女と話したことを考えていると
なんだか、自分の原点というか、ルーツみたいなものに
たち帰っていくのを感じ・・
ふと、無邪気に遊ぶ童子の図を見て
”無心”という言葉を思い出しました。

無心とは、一体どういう境地だったのだろう...と。
あの頃は、無心だったのだろうか。


明日は、雪が降る....かもしれない、という予報。
いよいよ降るのかな。。。


2014年01月14日 焼きもの全般 トラックバック:0 コメント:0

「つくる人」と「使う人」

モノには「つくり手」と「使い手」がいて
創る人は、より良いものを創り出したいと思い
使う人は、より良いものを選んで暮らしの道具としたい、と思う。
どちらにとっても、それが ”喜び” なのです。

「売り手」は、どちらからも”熱”が伝わってきて
その温度を、感じ取る。

温度は熱すぎてもいけない。(ヌルイのはもっといけない)

「つくる人」は、自分が作りたかったのは、コレだ!というものを
求めて、創造する。
「使う人」は、コレじゃなきゃ!というものを探している。

それぞれの温度に ”なるほどな” と感じる瞬間があると
私は、とても嬉しい。

「つくる人」と「使う人」の双方が
高いレベルで納得できるモノ
その『一致感』みたいなものを
求めていきたいなぁと思う。

「つくり手」のワクワク感。
「使い手」のワクワク感。
そんな幸福感が広がっていくといいな、と思います。

両方の幸福感のおすそ分けをいただけるのが
私の立ち位置だから、私も幸せですね。


今年のお正月は、そんなことを考えていました。

もう、七草。。。
日常が戻ってきました。

2014年01月07日 焼きもの全般 トラックバック:0 コメント:0

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